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Leftarrow - "South Park: Bigger, Longer & Uncut" "South Park: Post Covid" South Park: Post Covid

South Park: Bigger, Longer, & Uncut(邦題:サウスパーク 無修正映画版)はサウスパークシリーズにおいて制作された初めての映画作品である。1999年6月30日にアメリカ合衆国カナダで上映された後、およそ2年という短期間で地上波放送された。これは映画史上異例の出来事である。

奇想天外な展開が好評を博して、映画の興行収入は8,300万ドルを記録した。それほど高い金額ではないが、当時制作されたR指定のアニメ映画の中ではもっとも高い記録である。同時代に人気の絶頂にあったディズニー社の映画とは対照的だが、サウスパークの映画にはミュージカルの要素もあり、挿入歌であるブレイム・カナダはアカデミー歌曲賞に推薦された。

脚本[]

物語は主役スタンカイルケニーカートマン)の少年4人と、カイルの弟アイク(養子)がテレンス&フィリップの映画燃えよコウモンを見に行く場面から始まる。少年たちはチケット代を持っていたにもかかわらず、指定年齢に満たないことを理由に入場を拒否された。映画には卑猥な冗談やユーモア、公共の場にふさわしくない言葉が多く使用されているために、アメリカ映画協会からR指定がなされていた。それでも鑑賞を望むならば、少年たちは保護者同伴が必須であると知らされる。そこで少年たちはホームレスを雇ってチケットを購入させ、映画館に入場することにした。結果映画を見ることができたが、少年たちを除く入場客が全員気分を害して退場するほどに、映画の内容は品位を欠いていた。(アンクル・ファッカー

その後スターク池に立ち寄った少年たちは、クラスメートらに映画の内容を話して聞かせる。卑語を連発しながら映画の素晴らしさに語る彼らにクラスメートは感銘を受けて、皆テレンス&フィリップの映画を見たがった。場面を同じくして、ウェンディがスケートをしながらスタンの元に近づいてくる。ウェンディの隣に立つ少年グレゴリーを見て、スタンはウェンディがこの少年に気があるのではないかと勘ぐった。(ウェンディの歌

翌日、ウェンディとグレゴリーを除く生徒全員が映画を見たようだった。カートマン、カイル、スタン、ケニーの4人は、ギャリソン先生に向かって"fuck"という言葉を浴びせつづけたために、スクールカウンセラーであるマッケイ先生の元へと送られる。マッケイ先生は保護者にこの出来事を報告しつつ、子供たちに言葉の起源について指導する。
 保護者たちがカウンセリングルームにやってくると、カートマンはうかつにも「燃えよコウモン」の映画で言葉を覚えたと親たちに話す。それによってシーラは怒りを誘発されて、カナダ人を激しく非難した。
 その後、カフェテリアでスタンとシェフが会話をする。シェフはうっかり口を滑らせて、女の子の気を引くにはクリトリスを探れば良いのだと教える。性についてまだ未熟なスタンはクリトリスが女性器だと知らず、神話に登場する魔物の類いだと思い込む。
 マッケイ先生は子供たちに言葉の使い方を学ばせるために特別授業を行った。(イッツ・イージー・ンケーイ

再度映画を見た後、テレンスの行動に触発されたカートマンとケニーは、放屁によるガスで火を起こせるかどうかと口論になる。100ドルを得たいがためにケニーはこの話題を実行に移す。結果、当然ながら屁は引火してケニーは炎に包まれた。病院に緊急搬送されるケニーだったが、トラックと救急車が衝突して塩化融雪剤に埋もれてしまい、さらにその融雪剤が引火してさらなる惨事にみまわれる。しかしながら彼の死因は焼死ではなく、医師の医療ミスで心臓の代わりにベイクド・ポテトを移植されたからであった。ケニーの魂は、裸の女性が出迎える天国へと向かったが、その内部へ入ることを拒否されて地獄へと落ちる。("Hell Isn't Good")
 同じ頃、エピソード序盤の行動が災いした他の主役たちは大変なトラブルに巻き込まれていた。

主役たちが再び映画を見たと知ると、保護者たちはスタンとカイルに2週間、カートマンには3週間の外出禁止を命じた。さらにケニーの死が引き金となって、シーラと他の保護者はカナダに対する抗議団体「カナダと戦う母たち」(通称M.A.C)を結成する。(ブレイム・カナダ
 トーク番組コナン・オブライエンのレイト・ナイトでは、テレンス&フィリップの2人が母親たちの差し金で逮捕に追い込まれる。国連本部では問題の対処にあたるが、テレンス&フィリップたちの経済的影響を理由に釈放を申し立てたカナダ大使の希望を、アメリカ大使は却下した。さらにその場にいたアメリカ人らがカナダの国民性をやゆする態度をさらしたため、事態は軍隊が出動するほど深刻な段階に陥った。カナダの空軍がボールドウィン兄弟の自宅を爆撃したことを受けて、当時の大統領ビル・クリントンはカナダに宣戦布告し、テレンス&フィリップを「戦争犯罪人」として2日以内に処刑すると宣言した。
 今やアメリカ合衆国の国防長官(映画での呼称は攻撃省長官)となったシーラは、カートマンが自身を侮辱する歌を聞いて即座に対策を講じる(カイルのママはビッチ)。シーラはヴォスノッカー博士によって開発されたVチップをカートマンの脳に埋め込んで、不適切な言葉を口にするたびに電気ショックを与えることで彼を矯正しようとした。
 テレンス&フィリップ処刑の瞬間が刻一刻と近づくなかで、カイル、スタン、カートマンの3人は母親たちに思いとどまるよう呼び掛ける。しかしながら彼女たちは一切聞く耳を持たなかったため、少年たちは別の方法を捻出した。テレンス&フィリップを守るために、また母親たちへの抗議の意味合いも込めて、レジスタンスという組織を結成する。仲間を集めるために、少年たちはフルーツポンチとパイの提供をエサに、サウスパークじゅうの子供たちに組織への加入を呼び掛けた。(ブライアン・ボイターノならどうする?

一方、ケニーはサタンによって拷問を受けていた。するとそこへサッダーム・フセインが現れて、サタンとフセインが恋人関係であることが発覚する。2人のカナダ人が処刑されることによって、地球へと召喚される予言だとサタンは喜ぶが(この時意図せずカナダ人を侮辱する言葉を吐くが、サタンのなまりによる)、フセインは地上の統治をサタンほど重要なものとは考えていないようだった。地獄の住人である2人から地球を守るために、ケニーはカートマンの元へと急いだ。

カートマンはスタンとカイルにケニーとの会話を伝える。スタンたちはすぐには信じなかったが、ひとたびテレンス&フィリップの死刑が執行されれば、サタンとフセインがすぐさま地球を乗っ取りに来ると聞いて衝撃を受けたようだった。さらにグレゴリーが自分たちの基地にやってきたのを知ると、彼らは再度衝撃を受ける。グレゴリーはテレンス&フィリップ救出のために綿密な計画を立ててきており、「政治的な」手腕を見せつけられてスタンの精神はまたも不安定に陥った。(レジスタンス
 テレンス&フィリップはUSOショーの放送中に電気椅子で処刑されることが決定している。そこでスタンたちは潜入捜査を得意とするフランス人の少年、モグラに協力を要請して、放送局に侵入し、テレンスたちを救い出そうと決心する。
 カナダ人が次々と「強制収容所」へと送還されていったため、カイルは同じくカナダ人である弟のアイクを守るために、屋根裏部屋へと彼を隔離した。

その頃地獄では、体の関係しか求めてこないフセインに傷ついたサタンと、サタンに関係を断ち切るように勧めるケニーがいた。サタンは最初こそフセインとの別れを決意したものの、すぐに説き伏せられてしまい、結局2人で地上を征服しに向かった。その一部始終を見ていたケニーはあきれ返る。(アイ・キャン・チェンジ

USOショーが始まってしまったため、スタンたちはビッグ・ゲイ・アルのパフォーマンスを長引かせて時間を稼ごうとする。(アイム・スーパー
 かたやカートマンは電気椅子の電源を切るという任務を遂行しようとしたが、ケニーの幽霊がまたも現れたために、驚いて任務を放り出して逃走する。これによってテレンスたちを救出しようとしたモールの作戦は失敗して、モールは軍警察犬に追い回されて致命傷を負った。(モールのリプライズ
 カイルはスタンとともに舞台にまで上がり、テレンスたちの処刑をなんとか止めようと必死になった。しかし母親の説得はまたしても失敗して、ついに処刑が実行される。

テレンスたちに電流が流されると、そのすぐ後にカナダ軍が攻撃を開始した。任務を思い出したカートマンが電気椅子の電源を再び切ろうとすると、流れていた電流がカートマンの脳に埋め込まれたVチップに不具合を起こす。代わりにスタンがテレンスたちを救おうとするが、その場に爆弾が落とされてスタンは吹き飛び、水たまりに頭から突っ込んで気を失った。スタンが意識を取り戻すと、目の前には全知全能のごとく現れた巨大な「クリトリス」という物体がいた。テレンス&フィリップを救えと命じる。スタンがウェンディについて尋ねると、クリトリスは「自信を持て。女は自信のある男が好きだ」と教える。
 シーラは米加戦争を目の前にしてもなお自身の正当性を主張するが、他のメンバーは彼女の行為が行き過ぎていると感じはじめていた。テレンスとフィリップは電気椅子の拘束からからがら逃れたが、まもなくシーラとアメリカ軍に追い詰められた。

再び命の危機にひんするテレンス&フィリップを救うために、スタンとカイル、そしてレジスタンスのメンバーは軍の前に立ちはだかる。大佐は下品な冗談ならばニコロデオンのチャンネルでも見られると主張したが、スタンは問題の論点はそこではないと反論する。下品な内容のいかんではなく、問題は言論の自由を奪う検閲によってアニメ作品そのものが規制される現状にあった。
 カイルは母のシーラに向けて訴える。シーラの息子であるアイクがカナダ人だということを知って、軍人たちは衝撃を受けた様子だ。それでもなおシーラが過ちを認めなかったために、カイルは母親との対決をいよいよ覚悟する。今すぐ戦争をやめて、カイルはシーラにただの母親に戻るように要求した。悪いのはカナダの映画ではなく、年齢制限のある映画を素性を偽ってまで見に行った自分であると非を認めて、カナダ人に責任転嫁をするのは愚行以外の何物でもないと、シーラにも過ちを認めさせようとする。しかしそれでもカイルの言葉を聞き入れられずに、シーラはテレンス&フィリップを銃で撃った。
 カナダ人の血が大地に触れたことによって、いよいよサタンとフセイン(それからケニーも)が地上に降りてくる。フセインとサタンは地球を統治して、世界を混乱に陥れた。アメリカ軍はフセインを撃ち殺そうとするが、いかなる銃弾にもフセインの体を傷つけることはかなわなかった。
 自分の行動が招いた事態にショック受けるシーラを脇に置いて、サタンは早くも地球人をわがものにしだしたフセインに怒りをあらわにする。サタンの眼前で、アメリカ軍もカナダ人も皆フセインの足元にひざまづいた。ケニーは今こそフセインとの関係を断ち切る時だと説得するが、それでもサタンは二の足をつげずにいた。
 地球を牛耳った日を記念して、フセインは自身の銅像を建てるべきだと主張した。そこはまさにカートマンが立つ場所であったが、デブと呼ばれたカートマンは銅像建設を拒否する。その時、不具合を起こしたVチップのせいで、卑語を口にするたびに手から電流を放出できるようになったことをカートマンは発見する。喜び勇んで、カートマンは卑語を連発する。今まで口にできなかったうっ憤と、そして「デブ」呼ばわりされた怒りを込めて、カートマンは下品な言葉を大量に並べ立てた電撃をフセインに浴びせた。
 カートマンの攻撃によって重傷を負ったフセインは、サタンにカートマンを殺害するように求める。しかしフセインの支配から脱したサタンはもう彼の言葉に耳を貸さなかった。フセインをつかんで地獄の底へ突き落とすと、フセインはとがった岩に体を貫かれて絶命した。

サタンはケニーに感謝を述べて、願い事を1つかなえると申し出た。不慮の事故で死亡したケニーは蘇生を願うこともできたがそうはせずに、戦争が始まるまえまで時間を戻してほしいとサタンに頼む。この言葉に軍人たちも主役たちも驚いた。サタンはケニーの願いをかなえると、ギャリソン先生の人形であるハット君を連れて地獄へと帰っていった。主役たちはケニーを「親友」と呼んで、彼の善意に感謝を示した。この時ケニーは初めてフードを取り去って、スタンたちに別れを告げて姿を消した。
 サタンの魔術によって、世界は日常を取り戻す。シーラは今まで息子の言葉に耳を貸さなかったことをカイルに詫びて、カイルはカートマンがフセインを倒したことを告げて、反カナダ人活動をついにやめて母親へと戻ったシーラと抱き合う。一方でスタンはウェンディに突然キスをされる。ウェンディはグレゴリーに興味などないと分かると、スタンは大喜びした。カナダとアメリカ合衆国は再び友好関係を取り戻して、カートマン、カイル、スタンは低俗な子供から上品で知的な子供へと成長することができた。町じゅうの人間が手を取り合い、幸せな今を祝福する歌を歌った。(マウンテン・タウン(リプライズ)
 いよいよ物語が終わる間際に、地上に隕石が落ちる。ケニーは善行により天国行きを許されて、天使の羽根と輪を手に入れる。そして彼が裸の美女たちが待つ楽園へと旅立っていったところで、物語は終結した。

短いクレジットが流れたあと、屋根裏部屋に取り残されたアイクが、ネズミを食べながら母親の帰りを待つシーンが映る。

楽曲[]

関連項目[]

脚注[]

訳注[]


  "South Park: Bigger, Longer & Uncut"
エピソードの要素

カールの倉庫カナダと戦う母たちグレゴリーサタンサッダーム・フセイン地獄テレンス&フィリップ燃えよコウモンモグラレジスタンスVチップ

ナビゲーション

一般画像台本楽曲

発行物

South Park: Bigger, Longer & Uncut

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