Make Love, Not Warcraft/トリビア

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トリビア

• 当初はシリーズ通算で145話目にあたるエピソードになる予定だったのだが、アニメーション技術「マシニマ」を用いての制作が工程通りにいかなかったため、147話目に変更をして代わりに"ManBearPig"を放送した。
• 本エピソードは、World of Warcraftのゲームプレイ動画を制作会社ブリザード・エンターテイメントの許可を得て使用している。
• カイルが発したせりふ「早くストーンヘイヴンに行ってクエストを終わらせないと（"Come on, we have to finish the quest in Stonehaven"）」に登場する場所ストーンヘイヴン（Stonehaven）はWorld of Warcraftにおいて実在しない。ただし、スコットランドの北東には同名の町が存在している。
• スタン、カイル、ケニーの体重が激増したのはこのエピソードが初めてである。
• クライド・ドノヴァンをフランス軍と重ねて説得を試みた後、カートマンはさらにフランス語で"Voulez-vous coucher avec moi, Clyde?"（私と1度寝てみない？）というせりふを発している。これは歌手パティ・ラベルが発表した"Lady Marmalade"という楽曲中に登場する歌詞を引用したものである。
• ブリザード・エンターテイメントの会議室には、ゴールドディスクに似た装飾品が壁に掛けられており、さらにゴールドディスクらしきものの中央には、World of Warcraftに登場する種族アンデッド（Undead）の紋章が添えつけられている。

  

  向かって左側の壁にゴールドディスクらしき装飾品が掛けられている。

  • 会議室には複数のゲームに関するポスターが飾られている。作品名はそれぞれDiablo II、Starcraft Iの拡張パックにあたるBrood War、Warcraft IIIであり、いずれもブリザード・エンターテイメントが開発したゲーム作品である。
• 本エピソードでオンライン戦争に参加した4年生の女生徒はいなかったが、カイルとジェイソンは女性キャラクターを操作していた。

  

  緑色の服を着ているのがカイルの操る女性キャラクター、甲冑を装備した青い髪の女性がジェイソンの操作するキャラクターである。

• Jenkins（ジェンキンス）のPCケースには「1337」と文字の書かれたステッカーが貼り付けられているが、これはオンラインゲーム上で使用される俗語の一種である。英語の'elite'を意味する単語だが、コミュニティ内においては'leet'と発音され、1337とキーボードで打鍵される。
  • この他にも'r-tard'、'uber'、'pwn'、'noob'など複数の俗語が登場する。
• 制作段階で名前のなかったJenkinsは、脚本が執筆される過程で'NWBZPWNR' という仮名が与えられた。
• 体重が激増した主役たちのキャラクターデザインを決定するために、サウスパーク・スタジオは担当者に絵コンテの作成をまず命じた。
  • これまで自身の肥満型を指摘されていたカートマンだが、本エピソードではカイル、スタン、ケニーともにカートマン（がさらに太る以前）の体形と同一となる。なお、自身の体重が増えた件について3人が何かしら言及する様子は描かれていない。
• 「ファンのための年」に行なわれた人気投票で本エピソードは1位を獲得している。
• 視聴者からの支持を得ただけでなく、本エピソードは複数の受賞歴を持つ。
  • 2007年5月：コメディ・セントラル中のコメディ作品内で10位中1位に選出される。
  • 2007年：エミー賞におけるアニメーション部門で、アニメーション賞を授与される。
  • 2007年9月：Creative Arts Emmy Award（※英語版Wikipedia）を受賞しており、優れた芸術作品と評価される。
• 本エピソードは"Cartman Gets an Anal Probe"、"Scott Tenorman Must Die"、"AWESOM-O"、"Major Boobage"と同様に、公式サイトで永久無料視聴が保証された数少ない作品である。
• 界隈で有名なYouTubeの動画配信者Classic Windsは、イノシシのみを狩ることでキャラクターのレベルを60まで上げられるという戦略動画を投稿した。綿密なキャラクター育成計画を立てた彼は、World of Warcraft: The Burning Crusade、通称Vanillaならばイノシシを18,058匹殺せば事足りると主張していたが、本エピソードの描写とは異なり、1箇所のみでひたすらにイノシシを狩りつづけることはゲームシステム上不可能である。なおClassic Windsは、近い将来にこのキャラクター強化方法を実践すると宣言している。
• 視聴者によるエピソードの人気投票において、本エピソードは1位に選出された。この他、"Scott Tenorman Must Die"が決勝戦まで勝ち進んでいる。

参照される大衆文化

• Jenkinsが所持していたカップには、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの主人公であるジャック・スパロウが描かれているが、作品名は「バハマ諸島の海賊（バカニア）（Buccaneers of the Bahamas）」に改変されていた。
• 本エピソードの題名"Make Love, Not Warcraft"は、1960年代のスローガン「戦争をしないで恋をしよう」をもとに考案された。
• 本エピソードよりオープニング主題歌の曲調が変更されており、Colonel Les Claypool's Fearless Flying Frog Brigade（※英語版Wikipedia）というバンドによって「ワモラ（"Whamola"）」と定義される楽器によってアレンジされている。
• 主役たちが鍛錬を繰り返す場面で、ポール・スタンレーの制作した楽曲"Live to Win"が流れるが、この曲が世界に公開されたのは本エピソードが初めてである。
• ブリザード・エンターテイメントの職員が着ていたTシャツには'Dwarf Needs FOOD!'と文字が書かれているが、これはゲーム「ガントレット」に言及したものである。
• このエピソードを受けて、ゲームHello Kitty Onlineに拡張パック'Island Adventure'が追加されるというエイプリルフールの催しが行なわれた。
• World of Warcraftの利用者は大半が大韓民国の国籍を持つとカートマンは主張していたが、この発言は開発社の他作品「スタークラフト」において韓国人利用者が増加していた事実に由来する。
• ランディが車を盗難するという場面は、コンピューターゲーム・シリーズ「グランド・セフト・オートシリーズ」のゲームシステムを流用したものである。
• 第二次世界大戦時のフランス共和国の動きについて言及する際、カートマンは楽曲「レディ・マーマレイド」を口ずさんでいた。

World of Warcraft

• カイルのキャラクターが発揮する呪文効果（'Arcane Brilliance'）の恩恵を受けるのは、彼自身とケニーのみである。スタン、カートマンが操るキャラクターは「ウォリアー（Warrior）」クラスであるため、能力を発揮するための素養を持ち得ない。
• 主役たちは4人とも回復能力を持たない。実戦において長期的な戦闘を行なう場合、回復要員を持たない編成は非常に不利である。
  • World of Warcraftにおける一般的な編成人数が5人であることを考慮すると、回復能力を持つアイクが構成員の1人という可能性もあるが、エピソード中で彼の明確な役割は描写されていない。
• エピソード冒頭で主役たちがJenkinsと対面した際に流れていたのは、ゲーム上の設定舞台Orgrimmar（オーグリマー）のテーマ曲である。
• 主役と彼らに協力した男子生徒ら全員は"Alliance"という派閥に所属している。
• 主役4人がそれぞれ選択したクラスは、ウォリアー（カートマン、スタン）、ハンター（ケニー）、メイジ（カイル）である。攻撃の仕方から推察可能な限り、Jenkinsもメイジであり、かつ男子生徒の大半はこのクラスを選択している。ただし、アイクとティミーはプリーストであった。
• 本来と異なる性別のキャラクターを選択したのは、カイルとジェイソンの2人である。
• 以下、実際のゲームWorld of Warcraftとの相違点を列記する。
  • カートマンはウォリアーの能力を複数列挙した上で、メイスを同時に2つも扱えると豪語した。そして自身を世界一強いドワーフだと主張していたが、カートマンのクラスはウォリアーでなく、ケニーと同様「ローグ」だった。ゲーム画面にはそれぞれクラスに応じて能力発動するためのマジックポイント表示バーが映っているが、ウォリアーのバーは赤色であって黄色（ローグ）や青色（ハンター）ではない。なお、ローグの特殊能力は'Sinister Strike'、'Eviscerate'などである。
    • ローグは弓矢を扱うが、メイスの2本使いやプレートアーマーの装備はできない。
  • バターズ・ストッチはキャラクターにプレートアーマーを装備させていたが、当時のゲーム内ではレベル40以上に達しない限りは不可能な装甲である。
  • ランディとケニーは（※本来）ハンタークラスを選択していたはずが、本エピソード放送時にヒト種族はハンターを選択不可能であった。またハンターは盾を扱えないはずだが、ランディはレベル2のキャラクターであるにもかかわらずこの武器を装備していた。
  • Jenkinsはエピソード中で巨大なサソリを召喚していたが、彼の操るキャラクターに召喚能力はなく、よしんばあったとしてもこの能力はWarcraft Iにしか実装されていない。
  • エピソード中では、同意もなく戦闘を挑まれて殺害される事件が相次いだが、World of Warcraftでは敵の体力を1まで減少させるまでが攻撃と認められるため、他のキャラクターを殺害することはできない。同じ派閥に属する味方を殺害する方法はなくもないが、それでも殺害される側の同意を得た上で、被害者側に特別な操作を要する。
    • 従って他のプレーヤーが操るキャラクターを殺すことは不可能であるし、むろん管理者の操るキャラクターに攻撃を加えることもできない。
  • ※割愛
  • 男子生徒たちとJenkinsの戦いが終わった後に、ブリザード・エンターテイメントの職員はJenkinsが5,000のキャラクターを大量虐殺したと述べている。しかし1つのサーバーに5,000もキャラクターが存在するとは考えにくいため、JenkinsはDoS攻撃を利用して他のサーバー内にいるキャラクターをも殺したと思われる。
  • スタンのキャラクター名は"StanIsCool"だったが、頭文字以外に大文字を使用することは許可されていない。また、ブリザード・エンターテイメントの職員はスタンのキャラクターを"LUVS2SPWGE"と呼称していたが、このように意味を持たないアルファベットの羅列や、数字を名前に使用することも不可能である。
  • 特殊能力の発動時間は8秒だとカイルは発言していたが、エピソード中に描写された発動時間は6秒だった。
  • カートマンがマントをケニーに手渡すようスタンに指示を出す場面だが、マントはキャラクターの付属品であって取り外しはできない。
    • ランディが手にしていた「千の矛盾をつく剣」も同様に彼の付属品となったため、スタンに手渡すことはできない。
• 男子生徒たちのほとんどが最高レベルの装備品を身につけるなかで、アイクはレベル60のプリースト用装備一式という出（い）で立ちだった。さらに、ランディとティミーは初期装備以外は何も身につけていない。
• ジミーのキャラクターは眼鏡を装着していたが、このような装備は実装されていない。
• エピソード中の戦闘シーンには、録画したゲーム画面を編集するというアニメーション技術「マシニマ」が多用されている。
• エピソードの放送後、千の矛盾をつく剣はWorld of Warcraft: The Burning Crusadeのベータテスト版で実装されたが、エピソード中に言及された武器性能とはまったく異なっている。千の矛盾をつく剣はアリーナを勝ち進むことで獲得できる戦利品であり、「ソールズマンの傑作（"Finely crafted to Salzman's specification"）」という説明文が添付された。
  • なお、千の矛盾をつく剣のデザインは、エピソード放送以前より実在した武器The Hungering Coldとまったく同じである。
  • The Burning Crusadeが発売される前に、この剣はGladiator's Slicerという名前に変更され、デザインにもわずかな変更があった。
  • 2つ目の拡張パックWrath of the Lich Kingでは、レベル60に達したプレーヤーのみに剣の性能向上が可能になった。なおその際は名前がSlayer of the Lifelessに変わり、デザインも千の矛盾をつく剣と再び同一になって現在も入手が可能である。ただし武器の説明文は「ソールズマンの予言（"Foretold by Salzman"）」に変更された。
  • Wrath of the Lich Kingでは、ボスを倒した際に獲得できる武器の中に、千の矛盾をつく剣を反転した名前の短剣"Heaven's Fall, Kyrss of a Thousand Lies"が確認できる。なお特別版（Heroic）を入手すると、「うそはたやすく見破るが、お世辞にはまったく耐性がない（"A lying tongue hates those it crushes, but a flattering mouth works ruin."）」という説明文が追加される。
• 冒頭で主役たちがJenkinsと戦闘をした場所Arathi Highlandsは、レベル30から40のプレーヤーのみ立ち入りが可能である。
• エピソードの放送後に、"Make Love, not Warcraft"という戦利品がゲーム内に追加された。入手条件は他のプレーヤーを殺害することであり、さらには殺害の対象者が絶命する前に駆け寄っていって腕に抱いた上で大げさに感情を表現する必要がある。
• 本エピソードはWorld of Warcraftの社員が直接制作にかかわっており、またマシニマの技術を使用する際はWarcraft Alpha: Burning Crusadeのサーバーが利用された。
  • ブリザード・エンターテイメントの制作陣であるジョーイレイ・ホール（Joeyray Hall）は、サウスパークのエピソード制作に関われると知った時の心情を「仕事を依頼された時の気持ちはこんな感じだった……『まじかよ、トレイとマットってあの有名なサウスパークの？　ありえないくらい最高！』（"It was kind of like 'Oh wow, it’s Matt and Trey - you know, South Park, yay!'"）」と述べた上で、さらにはWorld of Warcraftを通してサウスパークのキャラクター作成をした時の楽しさを語った。

制作上のミス

• スタンが操作するキャラクター名は"StanIsCool"であった。エピソードの序盤ではキャラクターの体力表示バーにはそのように記載されていたはずだが、のちにブリザード・エンターテイメントの社員が千の矛盾をつく剣のデータを渡しにマーシュ宅を訪れた際、彼らはスタンのキャラクターを'LUVS2SPWGE'と呼んでいた。このような差異が生まれた理由は、制作側のキャラクター名に対する認識があいまいだったためと思われる。当時のWorld of Warcraftは、ログオン時に使用するメールアドレス（ID）ではなく、アカウント名をキャラクターの名前に設定していた。
• 主役たちがゲームキャラクターを強化するために、サウスパーク小学校のコンピューター室でWorld of Warcraftをする場面がある。この時に描写された彼らの後ろ姿は肥え太っていたが、場面が切り替わって別の角度が映った際には太る前のキャラクターデザインに戻っていた。なおこの映像はDVDと動画配信サイトのHuluでのみ確認できる。テレビ版で放送される頃には修正が施されており、主役たちは元の体重のままゲームをプレイしている。
• カイルによると、イノシシを殺して得られる経験値は2とのことだったが、実際にスタンがこの動物を倒した際は142XPの経験値を獲得していた。
• スタンを探しに家から飛び出したランディとブリザード・エンターテイメントの社員たちだったが、そのすぐ後の場面では開け放たれたはずのドアが隙間なく閉められていた。
• 殺害されたランディのキャラクターに走り寄っていった際、スタンのキャラクターが持つ盾がどこかに消失した。しかしスタンが「父親を殺したな！（"You killed my father!"）」と叫ぶシーンでは盾が再度出現している。
  • 加えて、消失する前と後ではスタンが盾を握る腕が左から右に変更されている。
• 会議室で発言していたブリザード・エンターテイメントの職員の見解では、ゲームキャラクターがレベル50に達するまでに3週間が必要であるという。しかしカートマンはレベル30に達するまでに7週間を要すると発言していたことから、恐らくカートマンは計算ミスをしたものと思われる。
• Jenkinsとの最終決戦直前、カートマンが主役たちにサソリを狙撃するように指示する場面がある。しかし画面が切り替わってスタンたちおよびゲーム画面全体が見渡せるようになった際も、サソリの姿は確認できなかった。
• カートマンが「おまる」に排便する場面において、スタンの姿は椅子の上から消えていた。しかし、それにもかかわらずスタンのゲームキャラクターは動作を続けていた。
• エピソードの視聴環境によっては、Jenkinsの自宅内にあるカーテンレールが揺れ動くのを確認できる。これまでにこの現象が確認された例は、オンライン上で視聴した場合が最も多い。

ケニーの死

• ケニー自身ではなく、彼が操作するWorld of Warcraftが2回死亡している。その際にスタンとカイルが口にするおなじみのせりふは、1回目の死亡時のみ発せられた。