"City People" | "Back to the Cold War" | "Help, My Teenager Hates Me!" |
"Back to the Cold War" | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
話数 | シーズン25 エピソード04 | ||||||
制作番号 | 2504 | ||||||
初放送日 | 2022年3月2日 | ||||||
| |||||||
エピソード一覧 |
"Back to the Cold War"はシーズン25の第4話、シリーズ通算で313話目にあたるサウスパークのエピソードである。2022年3月2日に放送された[1]。
あらすじ[]
乗馬競技で好成績を収められるか。バターズの技能に全てが委ねられている[1]。
脚本[]
サウスパーク小学校では、ギャリソン先生が黒板の前に座り、「深刻な話」を生徒たちに語って聞かせている。直近の事件――ギャリソンいわく彼と恋人のリックがけんかをしたため、生徒たちが2人の仲を非常に心配しているとギャリソンは思い込んでいた。非があるのは自身ではなく、あくまでリックであると説明をするギャリソンに、生徒の1人であるウェンディが口を挟み「生徒たちが気をもんでいるのは、ひとえにロシア連邦とその大統領、ウラジーミル・プーチンだ」と訂正する。しかしギャリソンは彼女の本意をまるで理解せず、ただ機嫌を損ねた。
そこへ顔を出したのはカウンセラーのマッケイ先生である。彼は核爆弾による軍事的攻撃に備える特別避難訓練の開始を生徒に告げる。そして生徒らに落ち着いて行動するように脅迫しつつ、実際に警報ベルを鳴らしたのだが、結果的に彼の言動そのものが生徒たちをパニックに陥らせる。おびえながら体育館まで逃走した生徒たちを前に、マッケイ先生は模範的な行動と称して1980年代の音楽を流し、ベンチの裏側に隠れて動かない生徒たちにダンスをして見せた。
後日、バターズ・ストッチはパーク郡乗馬施設で自身の馬(ポニー)「メランコリー」とともに馬術競技大会[注 1]の練習をしていた。場外で様子を見る両親のスティーブンとリンダは、バターズの敗退を恐れるがゆえに厳しく発破を掛けて息子を鼓舞する。スティーブンとリンダは、バターズがロシア人の選手デイヴィ・ソロコフに負けることをとりわけ恐れていた。スティーブンたちは、デイヴィがロシア連邦出身の少年であるという理由のみで彼を共産主義者だと思い込み、連邦の信奉者でアメリカ合衆国を目の敵にしていると信じている。
場面は学校へと戻る。PC校長は、2日で7回にも及ぶ避難訓練を生徒に強制するマッケイ先生の精神状態を憂慮して、彼の執務室へと様子をうかがいに赴く。しかしマッケイはPC校長の言葉に全く耳を貸さず、学校および生徒らにとって避難訓練は必要不可欠であると信じ込んでいる。そして東西冷戦[注 2]を主題にした映画「レッド・オクトーバーを追え![注 3]」に登場したロシア語のせりふを引用して、PC校長に邪魔立てしないように警告した。
PC校長が退室するや、マッケイは校長室に忍び込んでPC校長の個人情報が記された書類を盗撮した上、校長があたかも不審人物であると見なしているかのように身辺の調査を開始する。
所変わってパーク郡乗馬施設が映る。バターズは両親からデイヴィ少年およびロシア連邦が持つ危険性について説かれていた。ストッチ夫妻によれば、ロシア連邦政府は馬術競技大会を政治的に利用するつもりであり、バターズがもしもデイヴィに(≓アメリカ合衆国がロシア連邦に)敗北すれば、メランコリーは買収されたあげくに命を奪われ、死体は化粧品の材料にされるという。
メランコリーの身を案じたバターズは、馬術訓練により一層
マッケイ先生は執務室で、引き続きPC校長の経歴を調査しながら秘密裏に彼の真意を探る。そこへ、家庭での悩みを抱えたバターズがカウンセリングに訪れた。
馬術競技に家族関係の悩みを打ち明けるバターズにマッケイ先生はまるで関心を払わなかった。しかしデイヴィ選手とその両親、国家安全保障をめぐる社会問題にバターズが言及したため、マッケイ先生はすぐさま事情を全て話すようバターズに求める。
それから次の練習時、バターズはメランコリーが競技に集中するようによく言い聞かせる。学校の授業が終わるまでは便所を使用できないのと同様に、メランコリーも練習の間は排せつを我慢しなければならない。小学生の目線に立ってバターズはメランコリーに説明したが、当然ながらメランコリーが理解することはない。メランコリーが最初の障害物をまたがず、またも性器を露出したばかりか他の馬にまたがって交尾に熱中したため、相手方の乗馬選手もバターズも大いに困惑することになった。
所変わってロシア連邦では、馬術競技の練習を終えたデイヴィと両親が自宅で軽食を取っていた。
ソロコフ家を追ってロシア連邦までやってきたマッケイ先生は窓越しに家族の様子を観察した後、夜半にデイヴィの馬が休む
マッケイの目的はデイヴィの馬を競技大会に出場不可能とすることであったが、作戦を実行する前に同厩舎内で武装したストッチ夫妻とはち合わせる。馬術競技大会のためにストッチ夫妻もデイヴィの馬を標的にしていた。そのため、スーパーマーケット[注 4]で購入した無農薬野菜を与えてデイヴィの馬に下痢を引き起こさせる計画であった。
遭遇当初は互いに
思い込みを継続させたまま、マッケイは翌朝に母親が暮らす実家へと向かい、処分されずに残っていた旧式のコンピュータ[注 7]経由でコロラドスプリングスの北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)に連絡を取り、ロシア連邦による核攻撃に備えて警戒レベル[注 8]を3にまで引き上げるよう警告をする。この連絡により、司令部に在席する軍人らがバターズの出場する馬術競技大会に注目するきっかけが生まれた。
ロシア連邦モスクワ市では、防衛大臣のセルゲイ・ショイグと1人の将校は、懸念の抱きながらパーク郡内の馬術競技大会についてを報告に赴く。すると執務室には、上半身裸で80年代の音楽を聞きながら踊るプーチン大統領の姿がある。ショイグ氏らの懸念通り、プーチン氏は郷愁にとりつかれるあまりに現実的な言動を取れなくなっている。
臣下からの報告を受けたプーチン大統領も競技大会の中継を鑑賞することになり、米露2国の要人がテレビジョン画面に注目することとなった。
一方のマッケイ先生は、一向に改善の兆しが見えない現状にいら立ちを見せていた。母親が軽食を持ってきても、怒りに任せて部屋から追いだそうと怒鳴りつける。しかし母親は取り乱さずに、息子に話したいことをなんでも打ち明けるようにと言い聞かせた。
「なんでも」という言葉には、「老いていく自分自身から目をそらすために過去の思い出にすがりつく現状」であることも含むと悟ったマッケイは、自分自身を顧みて落ち着きを取り戻す。
昔は悪人と善人の区別すらも容易で生きやすかったと吐露するマッケイに、母親は老化や死を恐れない人間はいないと励ます。そして男が自己の体に老いを感じて自信を失ったとき、自尊心を取り戻すために戦争のまね事をひとり繰り返すものだと、マッケイ先生の心理を適切に読み解いた。
過去というものが現実を捨ててまですがりつくほどに重要な事柄では決してないと、母親に理解を促されて[注 9]マッケイは気落ちするが、母親は自分たちの世代が経験した心情を息子も理解できるようになったことに喜びを感じているようだった。
一方、最終戦でデイヴィと対決することになったバターズは、戦意を喪失しつつもメランコリーと共に最善を尽くそうとたづなを握る。メランコリーの奇異な行動は相変わらずであったが、彼が最後の障害物を越えようとするデイヴィの馬に性交を迫ったことから、デイヴィが落馬して失権したため、バターズは偶然にも勝利を収めた。
周囲は歓声に包まれる。そこへ駆けつけたマッケイはスティーブンと抱き合って喜びを分かち合うと、アメリカ合衆国国旗を自身の肩に掛けて以下のように演説を行う。
You know, the past few days, I've been reliving the past, but during this tournament, I started to change... and I just want to say to the Russians -- that if I can change, then yous can change. I know how it is when you're gettin' old, you know, and and you start getting aggressive because your dick doesn't work the way it used to... but just because our dicks don't work doesn't mean we should go back to the way things were. In the immortal words of Sting, we all share the same biology regardless of ideology.
- (みなさんもご存じの通り、ここ最近の僕は現実でなく過去にすがって生きていた。だけど、この競技大会を通して変わることができたんだ……そこで僕はロシア人に向けて言いたい。僕が変われるなら、君たちも自分自身を変えられる。たとえペニスが昔と同じように機能しなくなっても、周囲に対して攻撃的に振る舞っていいものじゃないし、そんなことをしたって問題は決して解決しない。かつて一世を
風靡 した音楽家[注 10]も言っていた。主義主張で人を区別する前に、僕たちはみんな同じ生き物なんだって再認識するべきなんだ)
マッケイ先生の演説にうなずくプーチン大統領の姿が映る。彼の態度からは、マッケイ先生と同様に生殖器官への不全が原因でこれまで過度に攻撃的な言動を取ったり、郷愁に浸りきっていたことが示唆された。
場面は再びサウスパークへと戻り、マッケイ先生の演説に熱狂する町民らの姿が映る。
エピソードの終了間際、無農薬食品でロシア人も腹を下すものかと疑問を投げかけるナレーターの歌声が聞こえた。
エピソードの連続性[]
- PC校長の姓名が明かされたのは、シーズン23のエピソード"Board Girls"以来初めてである。
- マッケイ先生の母がシーズン6の"Child Abduction is Not Funny"以降初めて登場しており、また本エピソードで初めてせりふが与えられた。
関連エピソード[]
画像 | 題名 | シーズン | |||
"Prehistoric Ice Man" | シーズン2 | ||||
邦題:氷の爆笑 スタンとカイルは洞窟で氷づけの男性を見つけた。彼をどうするかという点で意見が分かれ、2人の関係に亀裂が入る。 | |||||
"Fourth Grade" | シーズン4 | ||||
邦題:バック・トゥ・ザ・3年生 子供達は3年生に戻るため、ティミーの電動車椅子でタイムトラベルを試みる。 | |||||
"Child Abduction is Not Funny" | シーズン6 | ||||
邦題:超過剰反応!人を見たら誘拐と思え 親たちは子供たちを誘拐から守るため、金峰軒の店主に万里の長城の建設を依頼する。 | |||||
"I'm a Little Bit Country" | シーズン7 | ||||
邦題:戦争反対の賛成なのだ!? 時はイラク戦争が始まったばかりのアメリカ。子供たちも学校をさぼりたいばかりに反戦デモへと参加する。 | |||||
"Grey Dawn" | シーズン7 | ||||
邦題:自由の国のシルバー暴走族 サウスパークで高齢者達による自動車事故が多発するようになる。そこで高齢者の運転免許証を取り上げることにしたけれど、納得いかない高齢者が反撃を開始する。 | |||||
"The Jeffersons" | シーズン8 | ||||
邦題:ジェファーソンの秘密 新しくサウスパークに越してきたジェファーソンさん。彼の家には面白いものがたくさんあるので、子供達が集まり大盛況。カートマンは彼のお気に入りになろうと一生懸命になる。 | |||||
"Free Willzyx" | シーズン9 | ||||
邦題:月に住むシャチ シャチのウィルジャックは月の鯨だと聞いた少年達は、MASA(メキシコ航空宇宙局)の助けを借り、200$で彼を月に戻す計画をする。 | |||||
"Make Love, Not Warcraft" | シーズン10 | ||||
チーターにゲームを滅茶苦茶にされる子供たち。自分たちの世界を取り戻そうと、ゲームにのめりこんでいく。 | |||||
"Dances with Smurfs" | シーズン13 | ||||
放送委員に選ばれたカートマンは、学級放送を武器に生徒会長のウェンディをこき下ろす。 | |||||
"Insheeption" | シーズン14 | ||||
溜め込みが止まらずゴミ屋敷のようになるスタンとマッケイ先生。過蓄の原因が幼少期のトラウマにあると診断された2人は、真相を探るため深層意識の世界に潜り込む。 | |||||
"Stunning and Brave" | シーズン19 | ||||
邦題:すばらしくて美しいケイトリン 新しくサウスパーク小学校に新しく赴任した校長は、主役たちの差別的で配慮に欠けた言動を徹底的に矯正しようとする。サウスパークの町に革命の時代が驚異とともに訪れた。 | |||||
"Where My Country Gone?" | シーズン19 | ||||
邦題:俺の祖国はどこへ行った? 不法移民を自国から追い出すために、ギャリソンは国境の壁を建設しようと計画を立てる。 | |||||
"The City Part of Town" | シーズン19 | ||||
邦題:サウスパークに再開発地区を 都市再開発計画により地価が高騰するサウスパークで、ケニーは金峰軒の従業員となる。 | |||||
"Safe Space" | シーズン19 | ||||
邦題:カートマンが安心できる場所 スーパーマーケットのホールフーズ・マーケットに買い物へ行くたびに、ランディは毎度いやな思いをしている。公然とおとしめられ、1日の気分を台無しにされつづ続けたランディは、カートマンとともに心の安寧を保つためのつ隔離場所を求めた。 | |||||
"PC Principal Final Justice" | シーズン19 | ||||
邦題:PC校長の正義 町の再開発を推進した代償をランディはまるまる支払わなければならなくなった。その頃、不信感が募ったゆえにカイルとスタンの友情に亀裂が生じる。スタンだけでなく周囲の友人たちに疎まれたカイルは、1人孤独に危険な状況へとひた進む。 | |||||
"Wieners Out" | シーズン20 | ||||
邦題:チンコを出せ 男子生徒と女生徒が対立する様子にひどく心を痛めたカイルは、なんとか和解への道を探ろうと努力をする。しかし却って彼の言動が裏目に出た結果、男子生徒らは自らの権利を主張するために一致団結して、女生徒に対する過激な抗議活動を計画した。 | |||||
"Douche and a Danish" | シーズン20 | ||||
邦題:大統領選とデニッシュ 悪名高いインターネット・トロール"Skankhunt42"の正体を暴くために、主役たちは独自捜査を余儀なくされた。一方、Skankhunt42ことジェラルド・ブロフロフスキーは、他の荒らしたちと結集してデンマーク王国の「トロール追跡ドットコム」の評判を下落させようと画策する。 | |||||
"Fort Collins" | シーズン20 | ||||
邦題:フォートコリンズ コロラド州全域でハッキング事件が | |||||
"Oh, Jeez" | シーズン20 | ||||
邦題:まさかの展開 男女生徒間の不和を解消しようとPC校長が策を講じる一方、ジェラルドは自身を逮捕しにやってきたトロール・ハンターと対面しなければならなくなった。 | |||||
"Members Only" | シーズン20 | ||||
邦題:会員制クラブ ジェラルドがトロール・ハンターからの報復を恐れながら必死で逃亡を図る間、カートマンとハイディはスペースXを介した火星への移住を思いつく。 | |||||
"Put It Down" | シーズン21 | ||||
邦題:スマホを置くべき時 トゥイークがささいな出来事にばかり執着するうちに、クレイグとの関係に亀裂が入る。 | |||||
"Board Girls" | シーズン23 | ||||
邦題:ボード・ガールズ 学校ではクラブ活動にも女子が参加することになる。一方でストロングウーマン副校長の出場する女性競技会にはトランスジェンダーの女性が初参加する。 | |||||
"Pajama Day" | シーズン25 | ||||
ギャリソン先生に敬意を払わなかった罰として、PC校長は4年生たちに通常登校を命じる。カートマンを含めた生徒たちは動揺と不満を見せるが、校長の決意は揺らがない。 | |||||
"Help, My Teenager Hates Me!" | シーズン25 | ||||
主役たちがサバイバルゲームを楽しむには、中高生らとの連携および対決が必要不可欠である。 | |||||
"South Park: The Streaming Wars" | 短編映画 | ||||
サウスパーク町を揺るがす一大事件が起こるなか、カートマンは母親のリアンと意地の張り合いを始める。 | |||||
関連エピソード |
Phone Destroyer関連カード[]
カード | テーマ | レア度 | 属性 |
---|---|---|---|
戦争の英雄ネッド |
|||
攻撃をするごとに、身近な味方タンクの体力を攻撃力の半分回復する。 | |||
クレイグ海兵隊員 |
|||
突撃:敵リーダーに毎秒5のダメージを与える毒を、敵ユニットには倍の効果を持つ毒を放つ。 |
脚注[]
出典[]
- ↑ 1.0 1.1 "Back to the Cold War (Season 25, Episode 04)". southparkstudios.com.
訳注[]
- ↑ "馬術競技について". 公益社団法人日本馬術連盟.
- ↑ "冷たい戦争/冷戦/東西冷戦". 世界史の窓.
- ↑ "レッド・オクトーバーを追え!". Wikipedia.
- ↑ Erewhon Market公式サイト
- ↑ シーズン19の最終話"PC Principal Final Justice"で、PC校長はロシア連邦の酒場に立ち寄り、ロシア人に擬態する広告たちと戦闘に及んだ。
- ↑ ウラジーミル・プーチンは、大統領に就任する以前にソ連国家保安委員会(KGB)で諜報員を務めていた経歴を持つ。
- ↑ "DOS (OS)". Wikipedia.
- ↑ "デフコン". Wikipedia.
- ↑ 同様の主張は、主役たちが3年生から4年生に進級したエピソード"Fourth Grade"でも確認できる。
- ↑ "スティング (ミュージシャン)". Wikipedia.
| |||||
---|---|---|---|---|---|
エピソードの要素 |
デイヴィ・ソロコフ • バターズ・ストッチ • マッケイ先生 • "Dance Hall Days" • "Games Without Frontiers" • "Russians" • "Two Tribes" • ロシア連邦国歌 | ||||
ナビゲーション | |||||
発行物 |
South Park: The Complete Twenty-Fifth Season |