ブック・オブ・モルモン(The Book of Mormon)は風刺ミュージカル、書物、詩、楽曲の題名である。制作者はサウスパークシリーズの共同制作者であるトレイ・パーカー、マット・ストーンと、アベニューQ[注 1]で共同脚本・コンポーザーを務めたロバート・ロペスである。
上記に挙げた作品に共通するのは、ユダヤ=キリスト教的思想[注 2]と伝統的なミュージカルという文化を風刺しているということである。制作者たちはモルモン教や無神論、ミュージカルについて並々ならぬ関心を注いでおり、この関心事に対する探求に多大な時間を掛けている。サウスパークのアニメシリーズにて言及されたエピソードにも、制作者たちの持つ情熱の一端を垣間見ることが可能である。
キャラクター[]
- ケヴィン・プライス長老(Elder Kevin Price) − 宣教師の1人で、フロリダ州オーランドへの旅を願っている。
- アーノルド・カニングハム長老(Elder Arnold Cunningham) − 宣教師の1人で、自身が情熱を注ぐ「指輪物語[注 3]」や「スター・ウォーズ[注 4]」などの映像作品を用いて信徒に説教を施す。
- マッキンリー長老(Elder McKinley) – 宣教師たちの統率者であり、ウガンダ共和国の教区で司祭を務める。同性愛者である自分自身を受け入れられず、性的指向をひた隠しにしている。
- ナブルンギ(Nabulungi) – マファラの娘で、「ソル・トレイ・ク・シティ(Sal Tlay Ka Siti)」へ越すことを夢見ている。
- マファラ・ハティンビー(Mafala Hatimbi) – ナブルンギの父親であり、プライスとカニングハムのツアーガイドを務める。ウガンダ共和国の民族に属する。
- お尻丸出し将軍(General Butt-Fucking Naked) – ウガンダ共和国の一部を治める村長で、暴虐の限りを尽くす独裁者
- 宣教師長(Mission President) – モルモン教宣教師たちの統率者
ミュージカルメンバー[]
第1章[]
- "Hello" − プライス、カニングハム、モルモン教の信徒たち
- "Two by Two" − プライス、カニングハム、信徒たち
- "You and Me (But Mostly Me)" – プライスとカニングハム
- "Hasa Diga Eebowai" – マファラ、プライス、カニングハム、ウガンダ人
- "Turn It Off" – マッキンリーと宣教師たち
- "I Am Here for You" – プライスとカニングハム
- "All American Prophet" – プライス、カニングハム、ジョセフ・スミス、天使モロナイ、キャスト・スタッフ一同
- "Sal Tlay Ka Siti" – ナブルンギ
- "I Am Here for You"(リプライズ) – カニングハム
- "Man Up" – カニングハム、ナブルンギ、プライス、キャスト・スタッフ一同
第2章[]
- "Making Things Up Again" – カニングハム、カニングハムの父親、ジョセフ・スミス、モルモン、モロナイ、ホビット、ウガンダ人
- "Spooky Mormon Hell Dream" – プライス、キャスト・スタッフ一同
- "I Believe" – プライス
- "Baptize Me" – カニングハム、ナブルンギ
- "I Am Africa" – マッキンリー、宣教師たち
- "Orlando" – プライス
- "Joseph Smith American Moses" – ナブルンギ、マファラ、ウガンダ人
- "Hasa Diga Eebowai"(リプライズ) - ナブルンギ
- "You and Me (But Mostly Me)"(リプライズ) – プライスとカニングハム
- "Tomorrow Is a Latter Day" – プライス、カニングハム、マッキンリー、ナブルンギ、キャスト・スタッフ一同
- "Hello" (リプライズ) – キャスト・スタッフ一同
画像一覧[]
トリビア[]
- サウスパークのエピソード"Broadway Bro Down"終盤に、「ブック・オブ・モルモン」の短い告知動画が差し込まれる。宣伝文句は「君も必ず楽しめる("you'll get a blowjob")」であり、さらに該当エピソードではミュージカルに焦点を当てた脚本内容となっている。なおこの脚本には「ブック・オブ・モルモン」で制作を務めたロバート・ロペスも関わっている。
- マット・ストーンとトレイ・パーカーは当ミュージカル以外にも、1997年に公開の映画Orgazmo(オーガズモ)やサウスパークのエピソード"All About Mormons"でモルモン教を主題にし、風刺の対象としている。ストーンとトレイが受けたインタビュー内容[1]によると、彼らはともにコロラド州に縁深い人生を送っていたため、モルモン教に興味を持つのは必然だったと述べている。なぜならコロラド州はユタ州に隣接しており、従ってモルモン教徒と交流を持つ機会が非常に多かったからである。