- 類似タイトル: トーマス(類似するタイトル)
トーマス・“トム”・クルーズ・メイポーサー4世(Thomas "Tom" Cruise Mapother IV)はハリウッド映画を代表する俳優であり、宗教組織サイエントロジー[注 1]の熱狂的な信者として描かれたキャラクターである。シーズン9のエピソード"Trapped in the Closet"では、彼の人となりに大きく焦点が当てられた。
またシーズン14の"200"と"201"で再登場した際には、サウスパーク町を相手取って訴訟を起こした芸能人たちを統率するリーダーとなる。
背景[]
"Trapped in the Closet"[]
サイエントロジーの創設者であるL・ロン・ハバードの生まれ変わりであるとされたスタンが寝室に入ると、そこにはトム・クルーズが待ち構えていた。彼はスタンにこびへつらい、自身こそがハバードに最も高い忠誠心を誓う信者であると告げる。従ってトムはスタンから称賛を受けるものと思い込んでいたのだが、スタンはトムの芸能活動をそれほど評価していなかった。確かにトムは著名な俳優だが、ナポレオン・ダイナマイト[注 2]に出演したレオナルド・ディカプリオやジーン・ハックマン、その他役者が持つ実力には及ばない。そう評価されたトムは錯乱し、スタンのクローゼットへと閉じこもった。
トムはエピソードの大半をスタンのクローゼット内で過ごした。スタンが前言撤回しようとも、ランディ・マーシュ、警察、元妻のニコール・キッドマンから再三の要求があろうとも、トムは一向に扉を開けようとしなかった。それだけでなくついにはクローゼット内にいることすら否定しだしたため、ニコールはあきれて「なら、私と話しているあなたは誰なの」と返答した。
トムをクローゼットから出そうとしたジョン・トラボルタとR・ケリーだったが、結局は彼らもトムとともにクローゼット内に閉じこもることになった。
物語の終盤で3人はついに公の場へと姿を現したのだが、スタンがサイエントロジーを詐欺集団だと告げるのを聞くや、周囲にいる信者たちとともに猛烈な怒りをあらわにした。自身の宗教を中傷された彼らはスタンを訴えると告げると、スタンも怒鳴り返し、「やれるものならやってみろ」とトムたちを大いに挑発した。
"200"と"201"[]
200話記念のエピソードに登場したトム・クルーズは、工場で袋詰め作業をする様子をスタンたち小学生に目撃される。その様子を文字通り「袋を詰めている("fudge packer")」と表現したスタン、カイル、バターズだったが、実はこの言葉が同性愛者の男性を侮蔑を込めて呼ぶ俗語であることは知らなかった。トムは「私はゲイではなく、二足のわらじを履く("fly fishing")有名人だ」と主張するが、子供たちが態度を改める様子はまったく見られない。そのため互いの間で誤解が生じたことに気付かないまま、子供たちはトム・クルーズを激怒させることとなった。
さらに遅れてトムの存在に気付いたギャリソン先生が(今度は)侮蔑の意味を込めて彼を「ホモ("fudge packer")」と呼んだ瞬間、トムの怒りは頂点に達した。彼はサウスパークで過去に辱めを受けた経験のある有名人たちを集結させて、町ごとサウスパークの住人らを訴える決意をした。
サウスパーク町を訴えると宣言したトム・クルーズだったが、サウスパークの町民がイスラム教の預言者ムハンマドを明け渡しさえすれば、実行に移すつもりはなかった。しかしそこへ突如介入してきた赤毛集団が、暴力を盾にムハンマドを奪い取ると、怒りにわれを忘れたトムは手段を選ばずムハンマドを奪回しようとする。だが仲間の有名人らから説得を受けて、直接的な暴力に訴えるのはやめて、メカストライサンドを使役してサウスパークの町を破壊させることに決めた。
次作である"201"でトムは赤毛集団と交渉を行ない、赤毛らにロブ・ライナーが所有する機器の使用許可を出すことを条件に、ムハンマドを手に入れた。
ムハンマドの能力を手にして検閲されることに成功したトムだが、町を救うために集結した救世主集団スーパー・ベスト・フレンズと対面することになる。そして神々の仲間であるシーマンがトムの背後に回ると、周囲の者は一斉にトムを見て笑った[注 3]。
この出来事によって「他者からさげすまれない」能力が消失して、トム・クルーズは検閲の対象ではなくなった(なおかつ、ムハンマドの能力は彼の宗教であるイスラム教の信徒らが行なうテロリズム行為によって生まれたものと示唆される)。
勝敗が決した後、スタンはトム・クルーズに近寄っていき、ホモ(fudge packer)呼ばわりしたことをいま一度謝罪した。それからトムを笑った理由はシーマンの存在があってこそであると説明したのち、2度と他人に笑われない平穏な場所を知っていると教える。その場所は月であり、"Free Willzyx"で月へと送った宇宙生物ジャンブーの故郷であるとスタンらが信じている衛星だった。
スタンの言葉を信じたトムは月に送られて、窒息死した状態で今もなお月面に横たわっている。
"Coon 2: Hindsight"では石油会社Dependable Petroleum Services[注 4]が月で掘削作業を行なう場面にて、トム・クルーズとジャンブーがカメオ出演している。
South Park: The Stick of Truth[]
上記のエピソードで死亡したにもかかわらず、トム・クルーズはゲーム上に登場する。プレーヤーである新入りがスタンの寝室にあるクローゼットを開けようとすると、姿は見えないものの「絶対にここから出ないからな!("I'm never coming out!")」というトムの声が聞こえる。
なお、「クローゼットに閉じこもるトム・クルーズ」というギャグは"Trapped in the Closet"から引き継いだものである。
外見[]
茶色の髪と、無精ひげを持つ。トム・クルーズのキャラクターデザインは他の有名人に比べるとかなり現実に沿った容姿となっている。
"Trapped in the Closet"では黒いスーツの下に青いストライプ柄のシャツを着用している。
"200"では袋詰め作業を行なう工場で働いており、作業服を着用していた。
トリビア[]
- トム・クルーズは自宅内におびただしい数のクローゼットを所有している。これはclosetの「隠れる」という意味から派生した俗語「周囲に公言していない同性愛者」という言葉遊びであり、トムがゲイであるといううわさが
真 しやかに流れている事実を風刺したものである。 - "200"でスタンは工場で作業するトムを「袋詰め作業員("fudge packer")」と呼称しているが、これは性的指向を公言した同性愛者"come out of the closet"を指す言葉遊びであり、トムがゲイであるといううわさが流れている事実をまたも風刺したものである。
- "Trapped in the Closet"で登場したニコール・キッドマンはトムの元妻であるが、このエピソードが放送された時にはすでに離婚が成立しており、トムにはケイティ・ホームズ[注 5]という妻がいた。さらに、トムをクローゼットから誘い出そうと登場した有名人とは異なり、ニコールはサイエントロジーとは一切縁もゆかりもない人物である。
- "200"のエピソード中でソファから飛び上がってかんしゃくを起こすなど、トムのヒステリックな性格は実在する彼自身から取り入れられたキャラクター設定である。オプラ・ウィンフリーの番組に出演したトムは、ニュース番組「トゥデイ・ショー」で取り上げられた処方箋についてマット・ローアーと口論を繰り広げる様子が放送された。
- "201"でトムが送られた月の表面にはシャチがすでに横たわっていたが、このシャチの名前はジャンブーもしくはウィルジャックという。シーズン9のエピソード"Free Willzyx"でデンバー・シーパークの従業員らにだまされたスタンたちは、ジャンブーが宇宙から来た生物だと信じ込み、彼を月へと打ち上げている。
登場回[]
- "Trapped in the Closet" - クローゼットからまるで出ようとしない。
- "200" - 袋詰め作業員であるとてこでも認めようとしない。
- "201" - サウスパークを訴えた有名人の1人として登場
- "Coon 2: Hindsight" - ウィルジャックとともに月面に横たわる様子が短時間だけ描写される。
脚注[]
出典[]
- ↑ ""South Park" Trapped in the Closet (TV episode 2005)". IMDb.com.
訳注[]
- ↑ "サイエントロジーとは何でしょう?". サイエントロジー教会 東京.
- ↑ "ナポレオン・ダイナマイト". Wikipedia.
- ↑ スーパーヒーローのシーマン(Seaman)は「精液(semen)」と発音が似ているため、周囲からたびたびからかいの対象とされていた。
- ↑ Dependable Petroleum Service
- ↑ "ケイティ・ホームズ". Wikipedia.
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