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2011年11月16日に正式な発表がされたのち、シーズン19は2015年9月16日より放送が開始された。これまでのシーズンでは、直前のエピソードとはほとんど無関係に物語が進行する構成になっていたが、本シーズンからはエピソードの位置付けを考慮に入れた連続性のある物語構成となっている。
エピソード
画像 | 原題 | 放送 | 番号 | 通算 | |
"Stunning and Brave" | 2015年9月16日 | 1901 | 258 | ||
邦題:すばらしくて美しいケイトリン 新しくサウスパーク小学校に新しく赴任した校長は、主役たちの差別的で配慮に欠けた言動を徹底的に矯正しようとする。サウスパークの町に革命の時代が驚異とともに訪れた。 | |||||
"Where My Country Gone?" | 2015年9月23日 | 1902 | 259 | ||
邦題:俺の祖国はどこへ行った? 不法移民を自国から追い出すために、ギャリソンは国境の壁を建設しようと計画を立てる。 | |||||
"The City Part of Town" | 2015年9月30日 | 1903 | 260 | ||
邦題:サウスパークに再開発地区を 都市再開発計画により地価が高騰するサウスパークで、ケニーは金峰軒の従業員となる。 | |||||
"You're Not Yelping" | 2015年10月14日 | 1904 | 261 | ||
邦題:"食べるログ"お断り サウスパークに新しいメキシコ料理店ができた。カートマンは店に通い詰めて、よりよいサービス提供をさせるために店主へ注文をつける。 | |||||
"Safe Space" | 2015年10月21日 | 1905 | 262 | ||
邦題:カートマンが安心できる場所 スーパーマーケットのホールフーズ・マーケットに買い物へ行くたびに、ランディは毎度いやな思いをしている。公然とおとしめられ、1日の気分を台無しにされつづ続けたランディは、カートマンとともに心の安寧を保つためのつ隔離場所を求めた。 | |||||
"Tweek x Craig" | 2015年10月28日 | 1906 | 263 | ||
邦題:トゥイーク&クレイグ トゥイークとクレイグが恋人関係であるといううわさがサウスパーク小学校中に広がる。一方のカートマンは、分身とも言える相棒の傍若無人な振る舞いに手を焼く。 | |||||
"Naughty Ninjas" | 2015年11月11日 | 1907 | 264 | ||
邦題:ニンジャはワル!? ケニーの提案で忍者ごっこをしていた子供たちだが、その遊びが海外のテロリスト集団の関心を集めることになる。 | |||||
"Sponsored Content" | 2015年11月18日 | 1908 | 265 | ||
邦題:人類の新たな敵 学校新聞の記事に不適切な言葉を使用したとして、ジミーは校長室に呼びだされる。記者としての | |||||
"Truth and Advertising" | 2015年12月2日 | 1909 | 266 | ||
邦題:真実vs広告 今や敏腕記者となったジミーは、敵と見定めたレズリーの思惑を探ろうとする。その間に、解雇されたはずのヴィクトリア元校長とハーバート・ギャリソンが、素性を隠してサウスパークの町に戻ってくる。 | |||||
"PC Principal Final Justice" | 2015年12月9日 | 1910 | 267 | ||
邦題:PC校長の正義 町の再開発を推進した代償をランディはまるまる支払わなければならなくなった。その頃、不信感が募ったゆえにカイルとスタンの友情に亀裂が生じる。スタンだけでなく周囲の友人たちに疎まれたカイルは、1人孤独に危険な状況へとひた進む。 | |||||
シーズン19 |
シーズン概要
ポリティカル・コレクトネスへの言及
"Stunning and Brave"にて、マッケイ先生よりヴィクトリア校長が解雇されたとの報告がされる。代わりに新しく赴任したのがPC校長であったが、彼は紹介を受けて早々、町の住民たちのふがいなさを責め立てた。偏見と人種差別にあふれたサウスパークを変えると息巻くPC校長に、子供たちは反感を持つ。生徒の1人であるカートマンはPC校長を黙らせようと計画を立てたが、実行は果たせず返り討ちにあった。
PC新校長はポリティカル・コレクトネスを指示する集団、PCブラザーズへと加入する。この集団が夜ごと大騒ぎを繰り返すため、ランディは騒音の苦情を申し立てにPCデルタの寮を訪れた。しかしうかつにもデルタたちの勢いに流されて、ランディはPCデルタへと加入することになる。それから彼はカイルの自宅へと向かい、ケイトリン・ジェンナーを英雄ではないと口にしたカイルの真意を探るべく行動(※暴動・暴行)を起こした。
PC校長への報復を再度誓ったカートマンは、200人のメキシコ人妊婦とシリア難民の子供、加えてジャレド・フォーグルを使役してPCデルタの寮に奇襲を仕掛けた。ところへ姿を現したカイルが、騒動をやめるようにと説得を始めた。カイルはケイトリン・ジェンナーを英雄と認め、暴動を静めた。ケイトリンをたたえた功績を評価されたカイルはバラク・オバマ大統領から表彰を受けるが、PC校長を学校から追い出すという目的は結局果たされずじまいだった。
"Safe Space"でPC校長は、カートマンが肥満を理由に誹謗中傷を受けていると知る。そこで校長は解決策としてバターズ・ストッチを選任すると、インターネット上にある否定的なコメントをカートマンが見る前に削除するように命じた。その対策が成功したため、PC校長は次にスティーヴン・セガールやヴィン・ディーゼルに送られるコメントにも、同様の処理をするようにとバターズへ言いつけた。
負の感情にまみれたコメントばかりを見つづけていたバターズは、現実にとりつかれて次第に精神を病んでいく。そしてついに学校の窓から飛び降り自殺を図った。バターズを病院へと連れて行ったPC校長と有名人たちだが、バターズがすぐには再起不能であるという結果を受ける。そこで彼らは発展途上国の子供たちに、iPadを譲渡することを条件にコメントの分類処理を一任することにした。
"Sponsored Content"のエピソードで、発行された学校新聞上に障害者に対する差別的な単語"retarded"が使われた。これに怒ったPC校長は生徒たちを尋問し、編集者の足を折ってやると脅しをかけて張本人をあぶり出そうとする。しかし学校新聞の編集長は、よりにもよって脚部に障害を持った生徒ジミー・ヴァルマーだった。
その後落ち着きを取り戻したPC校長は、ジミーを校長室に呼び出して言葉の使い方を指導する。しかしジミーはこれを拒否したばかりか、PC校長が障害者と接することに苦手意識を持っていると決めつけた。
PC校長が許可なく学校新聞を発行しないようにと命じると、ジミーは学校ではなく、各家庭に直接新聞を配達しはじめた。見出しは「PC校長の知障理念("PC Principal's 'Retarded' Policy")」となっており、これは明らかにPC校長を侮辱する内容だった。そのためPC校長は、同じく障害を抱えるネイサンを同伴させてジミーと話し合う機会を設けたが、ジミーはやはり反抗的な態度を改めようとしなかった。
事態を重く見た校長は、同じ理念を持つ仲間たちPCデルタのメンバーに相談を持ち掛ける。PCデルタは寮内でパーティーを開き、障害を持つ児童を招待して交流を図ろうと計画を立てた。しかし当日になってみれば、デルタたちは招待客の子供たちえをそっちのけで女性との交流にかまけてばかりいた。ジミーはすぐさま「PCの行動理念とは、下半身で物を考えることだった("PC' stands for Pussy Crushing")」という見出しで記事を起こし、PCデルタたちを窮地に追い込んだ。
PC校長はジミーを学校新聞の編集長から降ろし、代わりにネイサンを任命した。そこへPCデルタの1人が校長室へ駆け込んできて、ステートファーム保険会社[注 1]の広告を校長に見せる。広告画像には、サウスパーク小学校の女生徒であるレズリーがブランコに乗る姿と、彼女の背中を押してやるPC校長の姿が映っていた。
"Truth and Advertising"でカイルを校長室に呼び出したマッケイ先生は、PCデルタたちがハンガー・ストライキを始めたことと、ジミーとレズリーが行方不明になったことを告げる。それから彼は、PCの風潮に逆らえばジミーらと同様に存在を抹消されるだろうとカイルに忠告した。
PC校長は"PC Principal Final Justice"にてロシア連邦に赴き、穏便な問題解決にあたろうとした。しかしロシア人によって攻撃を受けたため、やむをえずその場にいた全員を殺害する。その後ロシア軍に拘束されたPC校長だったが、バラク・オバマ大統領を装ったレズリーによって釈放される。
広告
"Sponsored Content"で学校新聞の編集長を務めていたジミーだが、記事内容に検閲が入ることを嫌ってPC校長と対立する。ジミーの手がける新聞には広告が一切なく、情報のみを掲載しているため、インターネット記事の広告の多さに煩わしさを感じていた町の住民はジミーの新聞を進んで読みたがった。そのうちに、評判を聞きつけたガイコ保険会社の営業職員が、ジミーの新聞に広告欄を設けるようにと交渉してくる。ジミーが自らの誇りに従ってこれを拒否したため、職員は彼に銃を突きつけて脅迫し、「広告を消し去ることなどできない」と宣言した。そこへバーブラディ巡査が介入して、ガイコ職員の頭を打ち抜き、ジミーをその場から救出した。
ジミーは連れられた先でニュースメンと出会い、広告の危険性について学ぶ。それから広告とニュース情報とを見極める能力テストを通過したジミーは、レズリー・マイヤーズと対面することになった。レズリーとの会話をへて、ジミーは彼女が人間の形を取った広告であると気付く。そのため彼女からさらに情報を引き出そうとしたが、レズリーはジミーを欺いて、彼にニュースメンから逃走する手助けをさせた。2人の逃亡計画に気付いたニュースメンはバーブラディ巡査に子供2人を始末するように命じたが、巡査は拒否をしてレズリーとジミーの側についてともに逃走を図った。その後ネイサンと合流したジミーは、レズリーの裏切りにあったあげくに暴行を受け、捕縛される。
事態の異変を感じ取っていた主役たちは、真相を探るべく独自に調査を開始した。しかし核心に踏み込もうとするたびに、何者かから妨害を受けて、気をそらされる。疑心暗鬼に陥ったスタンとカイルは仲間割れを起こした。
その後レズリーはカイルの元を訪れて、ジミーにしたように逃亡の助けを請う。ジミーがPC校長に殺害されたというレズリーの言葉をカイルはすっかり信じ込んだ。友人たちにもこのことを伝えたカイルは、身を守るために銃を調達する。それからレズリーの説得を受け、サウスパーク・ガン・ショーの会場を避難先と定めてその場に向かうことにした。
その頃、彼女役としてクラッシを雇ったネイサンは、チンポウタウンの高級住宅内でジミーを監禁していた。しかしネイサンからの扱いに怒ったクラッシは彼との契約を解消して、ジミーがガン・ショーへと向かう手伝いを請け負った。
ギャリソンの選挙活動
"Where My Country Gone?"でサウスパークの町に激増したカナダの不法移民に対して、ギャリソン先生は不満を募らせていた。カナダ人の生徒に対する態度が教育倫理に反するとして職を解雇されたギャリソンは、カナダ人を国内から追いだすために「ハメ殺し("fuck 'em all to death")」選挙運動を開始する。彼は国境に巨大な壁を建設することでカナダ人を国内から閉め出す計画を立てたのだが、壁は当のカナダ人によってすでに建設されており、アメリカ人はカナダへの入国を禁止されていることが判明した。
そこでナイアガラの滝を経由しカナダに不法入国したギャリソンは、すっかり退廃した国の状況を目の当たりにする。カナダの大統領と対面したギャリソンは、論争の末に彼へ性的暴行を加えて殺害した。目的を遂げたギャリソンはアメリカに帰国すると、サポーターのケイトリン・ジェンナーを伴って選挙活動を続行する意志を表明した。
"Sponsored Content"で大統領選挙の討論会に挑んだギャリソンは、同じく候補者であるヒラリー・クリントンと
都市開発計画
"The City Part of Town"でコメディアンのジミー・ファロンにより
そうして新設された地域ソドソパが原因で、金峰軒の客足は瞬く間に途絶えた。困り果てた店主のトァン・ルー・キムは、ケニーの提案でソドソパに対抗する商業地域チンポウタウンの展開を計画する。この計画を耳にしたランディは怒り、町は2つの地域をめぐって争いが勃発する。しかしホールフーズ・マーケットの代表がサウスパーク町に自店を建設すると宣言したため、住民同士の争いは終結した。
ホールフーズの店舗が建設されたことを皮切りに、新たな飲食店や服飾店が次々と建ちはじめた。しかし高級店を経営する店主たちは、それ相応以上の対応をやっかいな利用客(その中にはカートマンも含まれる)から求められるようになる。過剰な要求に堪えかねたウィスリン・ウィリーの店主が怒りと不満を爆発させて悪客の出入り禁止に踏み込むと、他の店主もこぞって彼にならって反乱を起こした。無礼な対応で応酬した店主たちに怒った客たちは、報復としてウィスリン・ウィリーの店舗に放火をして見せしめにする。
両者の争いをなんとか収めるべく、カイルとダビード・ロドリゲスは互いに案を捻出して、悪客たち一人一人に勲章を授与する「特別待遇」策を実行した。すると客たちの怒りは静まり、「特別な自分」を表彰されたことで有頂天になった。店側も出入り禁止を解除して、汚物を混入した料理を提供することでやっかいな利用客をもてなすようになった。
ホールフーズ・マーケットができたためにうち捨てられて廃れたソドソパには、治安が悪化し路上生活者であふれかえっていた。環境の改善策として、ケニーとトールキンが忍者の
しかし子供たちの扮装を見てISISの少年兵志願者だと勘違いした大人たちは、不注意から子供に発砲したとして職を追われたバーブラディ元巡査を復職させて、ISIS予備軍を処分させようとする。なお解雇した警察官をわざわざ再雇用した理由は、地元の警察職員が軒並み職務を放棄したからであった。
子供たちが単に忍者の物まねをしているだけと気付くと、ランディはバーブラディ巡査の制止に急いだ。しかしその際にバーブラディ巡査はまたも意図せず子供に発砲し、ダビード・ロドリゲスに被弾したため再度解雇される結果となった。その後路頭に迷いかけたバーブラディだったが、ニュースマンに見初められて、レズリー・マイヤーズの身辺捜査に関わるようになる。
町の再開発に伴う時価高騰によって生活が困窮したため、ランディはこれ以上サウスパークに住み続けることは不可能だと、妻シャロンに打ち明ける。実生活の不満をスキーターのワイン・バーで思う存分吐き出した後、ランディは帰路の途中でケイトリン・ジェンナー、ヴィクトリア元校長、ハーバート・ギャリソンに出くわし、町の現況に関する尋問を受けた。
状況の解明を急いだ3人とランディは、手がかりを求めてPCデルタを訪れる。しかし建物内には誰もおらず、また黒幕と思われたPC校長も強大な敵に操られたただの駒であったことが判明しただけであった。再び捜査を続行する4人だったが、広告による妨害を受けつづけて、何1つ手がかりを得られないまま時が過ぎていった。
PC校長のパーソナル・コンピューターを持ち帰ったランディは、ケイトリンたちとともにハードドライブの中身を探っていた。そこへスタンがやってきて、父親に銃を向け説明を迫る。疑心暗鬼は家族全員に
ガン・ショーの会場へ乱入したスタンたちは、広告の手下と見なしたカイルの身柄引き渡しを要求した。カイルはレズリーを連れて会場に姿を現して、PC校長とランディこそがすべての元凶だと告発する。するとそこへジミーとクラッシ、バーブラディが駆け込み、黒幕の正体はレズリーであり、彼女は人間のふりをした広告であると暴露した。加えてマッケイ先生の告白により、ヴィクトリア元校長が解雇された理由も明らかになる。校長の圧力に嫌気が差したマッケイ先生は、裏で手を回して彼女を解雇に追い込んだのだった。
混乱を極めた会場内でも冷静さを崩さないレズリーは、広告を止めることなど誰にもできはしないと人間をあざ笑う。しかし彼女の余裕はPC校長がやってきたところで終わりを告げ、PC校長による正義の制裁によってレズリーは完全に機能を停止した。
すべてが決着した後で、町の住民たちはホールフーズ・マーケットと向かい合う。住民から不要の産物と見なされたホールフーズ店は地面から浮遊し、目的不明の場所へと飛び立っていった。正義を貫いたPC校長は学校長としての務めを全うすることを選び、サウスパーク町に住みつづけると決意した。
脚注
訳注
- ↑ "ステートファーム保険". Wikipedia.