サウスパーク・アーカイブス Wiki
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前書き:このページは「性的少数派(LGBT)」と呼称される人々および彼らの文化背景に対する理解を促進する目的で作成されました。そのため、サウスパークシリーズ(アニメーションシリーズだけでなく、ゲームや映画その他の作品を含む)内で取り上げられたLGBTに関する言及は、すべてこちらのページに記録されます。
 サウスパークシリーズにおいてされた描写は、特記なき限りは実社会のLGBTと密接な結びつきがあります。しかしシリーズとLGBTとの関連性を記述する際は、あくまでシリーズのエピソードにおける本筋から外れず、かつエピソードの内容を補完する説明文でなければなりません。
 さらに留意すべきは、サウスパークにおける上記の描写には不快感を抱くような過激なユーモアが漏れなく含まれているということです。制作者側はこれらのユーモアを意図してシリーズ内に取り入れていますが、しかしながら、これらはすべてLGBTに対する敬意と文化的支援を表明した描写であると彼らは断言しています。従って、世にある他の作品と同様にLGBTを称賛する描写はなくとも、奇天烈きてれつな描き方の中に彼らの敬意が含まれていると見なした上で文章の記述にあたるべきでしょう。

サウスパークが放送を開始して以来、シリーズ上には同性愛者を自認するキャラクターが複数人登場している。そのキャラクターが成人であったとしても、彼らが性的指向および自己を表現する様子はいささか奇妙な描写が施されている。
 これらの描写を見た批評家や視聴者は、アニメーション・キャラクターに社会問題を反映させる革新的な手法を取り入れているとサウスパークを高く評価した。
 さらにシリーズを重ねるにつれて、サウスパークの制作者たちは、同性愛者のコミュニティを性的多数派にとって身近に感じさせるとともに、同性愛者たちへの偏見なき理解を促した先駆者であると見なされるようになった。

LGBTに関連するキャラクターとして、ハーバート・ギャリソンはシリーズを通して頻繁に描かれてきた。彼もしくは彼女の性的指向および性認識は非常に複雑で多岐にわたり、記述が難解なキャラクターとして制作者たちからも認識されている。
 元々ギャリソンは同性愛嫌悪者であったが、これは同族嫌悪の一種であり、ギャリソンもまた同性愛者である事実が明らかとなる。自らの性的指向を受け入れがたかったギャリソンは、自己への激しい拒否反応から同性愛者に対して差別的な言動を取っていた。しかし自己を見つめ直す旅に出て以降は自らの性的指向を受け入れられるようになり、それだけでなくスレイブ君という男性と恋人関係を結ぶまでになった。
 しかしながら、スレイブ君との関係は、ギャリソンが性別適合手術を受けて女性「ジャネット・ギャリソン」となった瞬間に終わりを迎える。女性となって以降もギャリソンの恋愛および性的対象者は男性であったため、この時点で彼女自身の指向は変化していないにもかかわらず、同性愛者の男性から異性愛者の女性へと変化を遂げた。
 上記の出来事により、ギャリソンはスレイブ君に別れを告げられる。同性愛者であるスレイブ君は女性のジャネットを恋愛対象者と見なすことはできなかったからだ。
 スレイブ君との別れを経験したギャリソンことジャネットは、もともとそうであったように、再び同性愛差別主義者となって過激な言動を繰り返すようになる。ただし以前とは異なり、彼女の一連の言動はスレイブ君への愛憎の感情が起因するものであった。コロラド州で同性婚の法案が可決される未来を阻止するために、彼女は町民を扇動して同性婚を阻止しようと画策する。しかし彼女の努力は甲斐かいなく失敗に終わった。
 その後もギャリソンは女性でありつづけたが、エピソード"D-Yikes!"では男性ではなく同性愛者の女性と性的関係を持っている。ギャリソンは通っていた酒場で女性「アリソン」と出会ったのだが、この酒場が女性同性愛者へ出会いを提供する店であると当初ギャリソンは知らなかった。
 女性としての人生に満足しているかに見えたギャリソンだが、彼女は自身の性別に対して次第に疑問を感じるようになった。性別適合手術は誤った選択であったと考えたギャリソンは、同性愛者の男性「ハーバート・ギャリソン」に戻りたいと熱望するようになる。再び男性に戻ると決意したギャリソンは、架空の性別適合手術を受けて男性器を取り戻し、正真正銘の男性へと性別転換した(現実社会において、性別適合手術後に元の性別へと再び戻すことは可能である。しかし手術によって切除した部位を回復することは不可能であり、従ってギャリソンが男性の体に戻ることはできない)。

なお、恋人であったスレイブ君との出会いや、恋人として過ごした時間などが詳細に描かれたエピソードはほとんどない。しかしながら、性別適合手術を受けて女性となったギャリソンに対して拒否反応を示す場面は描写がされている。
 ギャリソンは自身の性認識に迷いがあったからこそ手術を受けたわけだが、その結果スレイブ君との関係がどのように変化するのかまで考えが及んでいなかった。決して円満とは言えない経緯でギャリソンと別れたスレイブ君はビッグ・ゲイ・アルと付き合いを始め、婚約のすえに婚姻を結んだ。

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